猫圧を求める

絵の練習とか漫画の感想とか

色塗りが死ぬほど嫌いだった話

 

前置き

イラストを描く上でそこそこのウェイトを占める工程、色塗り(モノクロイラストは除く)。題名の通り、絵を描く工程の中でダントツに色塗りが嫌いでした。
私はいつも『ラフ→線画→レイヤー分け→塗り→加工』の順で絵を描いています。初めラフから線画にかけてはテンションが高いのですが、段々とフェードアウトしていきます。最後の加工でちょこっとだけ持ち直すことが…持ち直…?持ち直すことが無きにしも非ずかもしれない……。正直加工しても尚良くならない画面に歯噛みすることが多いです。
ラフをピャーーーーーーーーーーーーッと描いたあとにイメージを縁取るように線画をおこしていく過程が""描いている""感があって好きなのですが、絵を描くタイプの私の友人達は色を塗る方が好きらしい。マジかよ。

色を塗るのが嫌いな理由に、まず『調和する色が分からない』ということがあります。これまで主に描いてきた絵は二次創作で、元のデザイン・配色が決まっていました。太陽の下にいる推しを描くには苦労しません。影は色相環を青方向にずらして描き、光は黄色〜橙色方向にずらす。
これで大体上手くいきます。
太陽光を浴びる推しは描けます。
でも、当たり前なことですが推しはいつも太陽光を浴びているわけではありません。人工的な光の下にいるかもしれないし、そもそも光が届かないところにいるかもしれない。

絵を趣味にしている人からプロのイラストレーターまで、『何かしらの光源は設定しているけどその光が何なのかは描いている本人も分からない』という絵を描くことがあると思います。特定のシーンを設定しているわけではないけど落書きとしてぱぱっと描きたい時に描く絵です(説明が難しい)。pixivで『〇〇log』のようにしてまとめられているような、程良い荒さが残る感じの絵です(食い下がるな)。
私も描いてみてはいるのですが、絵筆を洗った後の水のような混沌具合に毎度頭を抱えます。

 

変化(前半)

好きなイラストレーターの絵をスポイトでとったり、配色講座を見て足掻いてみてはいるものの効果は出ず、色が分からないと嘆き続けて5年…くらい経ちますかね…。最近、ふと気付いたことがありました。
イラスト全体ではないものの、髪色と肌色だけなら、あるいは肌色とスカートの色だけなら、良い感じに見える絵が描けるようになったかもしれない。他の要素が和を乱しているけど、イラストの一部だけなら納得のいく色選びができている気がする。何をしたらそうなった? 何がきっかけになった?

かぐや様は告らせたい』という漫画をご存知でしょうか。アニメ化・実写映画化され、人気が高く、二次創作も盛んに行われる作品です。私自身は読んだことはありませんが、プロ/セミプロの絵描きさんをフォローしているTwitterアカウントのタイムラインで、二次創作イラストをよく目にしていました。
毎日多くのイラストがタイムラインを流れるためそれぞれの絵は誰が描いているのかをきちんと把握することは少なかったのですが、ある日疑問に思いました。かぐや様の絵、一体誰が描いているのか?
というのも、(まあ明らかに絵柄が違うのもありましたが)似た雰囲気のイラストがかなりの頻度で目に入るようになったからです。内側から淡く発光するような、夢を見ているかのような、儚い印象。よく見てみると絵柄は違うが、塗り・色が似ている。
四宮かぐや嬢を例にとります。彼女を構成する色は黒(髪/制服)、白(ブラウス、肌)、赤(瞳、リボンタイ、髪留め)、と無彩色2種+有彩色1種の極めてシンプルなものです。
このシンプルさが絵描きそれぞれの個性を発揮できる幅を狭めているのか、他の絵師によるオマージュ(?)をし易くしているのか。真相がどうなのかは分かりません。しかしこの単純な色構成のおかげで、上手くハマる影・光の色の組み合わせが”見える”ようになったのは確かです。

その後ふと、とあるイラストレーターの発言を思い出しました。現在該当ツイートを削除されているので名前は出しませんが、ズブの素人から片手に満たない年数の練習でプロになったトンデモ・ドリョク・ヒューマンです。その人は「色の練習をどうやって行ったのか」という質問リプライに対して「スポイトで色を確認してパターンとして覚えた」と答えていました。
いやいやいやいや。
パターンって。色の組み合わせなんて何無量大数通りあると思ってんの無理ゲーやんけ。
当時私はあの返事を見てひっくり返りました。
また、その人はツイートで「絵が上手くなりたい気持ちが強過ぎて睡眠すらまともにとれていない」とも言っていたので、向上心の塊のような人が、相当な努力を積んでようやく辿り着ける域なんだな…私にゃ出来るとは思えん……と匙をブン投げていました。

これやん???
かぐや嬢の話ってこのことなんじゃない?!??!!
パターン覚えるのムリ~~〜〜とか思っていたけど、かぐや嬢の色に限定すれば既に覚えられている……!? 黒と白と赤を使うイラストなら、良さげなヤツ描けちゃう…?!

勉強していて、理解できていなかった個々の事柄が線で結ばれることは往々にしてありますが、それを絵で体験するとは思わなんだ。
絵も勉強も土台は一緒なんですね…………(今更)。

 

変化(後半)

上記の発見から少し経ち、最近、頭の中でラフを練り練りしていると、またしてもとある変化に気がつきました。ラフに色がつき始めたのです。ここで初めて『私が頭の中で思い描いていたラフには色情報がなかった』ことにも気付いたのですが、今更すぎる発見に驚いて暫く挙動が怪しくなりました。マジかよ!? 
その色はやたらと整った色調をしていて、私オリジナルのアイデアじゃないんだろうなと予想がつきました。なので尊敬するイラストレーターの作品と片っ端から照らし合わせたところ、やはり丸被りする作品がありました。南無………………。
とはいえ構図や題材は全く被ってはいないので、その作品全体を思い浮かべたというわけではないです。人様のカラーパレットを使って色塗りをした、というイメージでしょうか。
(今回実際に描いてはいませんが、)この”人のカラーパレットを用いて別の絵を描く”ことは、今までチャレンジする度に玉砕してきたことでした。それが頭の中とはいえ具体的にイメージ出来るようになった理由は、上で書いた変化のおかげか、はたまた別の理由があるのか。私は上記の変化から後半のこの変化の間に絵を1、2枚くらいしか描いておらず、絵以外に優先すべきことがあったのでそっちにかまけていたので思い当たる理由がかぐや嬢の他に全く分かりません…。

よく分からん謎の時期に発生した進化ふたつ、これらは調和する色のパターンを自分の中にストックできるようになったことをあらわしている気がします。


変化後に一枚も絵を仕上げられていないのでもしかしたらこれらが机上の空論、アイタタな勘違いの幻覚かもしれませんが、今までとは違う何かを掴んだぞウオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!という感情を文章にすることには成功しました。
これから作品をもっと描いていきたいです。研究しながら描くので具体的には1か月に1枚くらいのペースで………。

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